しばらく執筆活動のため違う世界に。
ようやく戻ってまいりました。
執筆活動の苦しみのピークは越えあとは勢い。
いま書いているのは、今年3月の日本生態学会で発表した話をもとにした日本語論文です。
人間社会と生態系をリンクさせたモデルの紹介全般と、私たちの森林伐採動学モデルの説明をしています。以下、ちょっと紹介を。
森林伐採によって、世界の森林は減少し続けていて、特に、ブラジルとインドネシアでの事態は深刻です。しかし、FAOの1990〜2005年の間の森林情報と各国のもつ森林情報のデーターベースの分析によると、 一人あたりGDP 4,600 ドルを越える国では、森林は減少から増加に転じているのです。この変化は、Forest Transitionとよばれています。
Forest Transitionは、19世紀に西ヨーロッパやアメリカで始まり、比較的最近にはプエルトリコ、インド、中国、韓国などでもみられています。
この変化を説明するための仮説は、「環境クズネッツ曲線」仮説です。これは、ある一国について一人あたりの所得と森林伐採率との関係を図示すると、逆U字曲線を描くというもので、換言すれば、経済発展の初期には農地拡大のため伐採率が上昇し森林は減少するが、工業化が進み集約的農業になると、農地拡大は止まり労働力は農業から工業へ流れるため、農地が放棄され放棄地で森林が再生する、というわけです。
そうすると、
森林伐採の進行を食い止めるのは更なる経済発展だ ハハハ
ということになりますが、私たちの研究は、
森林再生能力という生態的要因も重要だよ プンプン
ということを土地所有者の意思決定と森林遷移のダイナミックスを組み合わせたモデルをもとに主張しました。
簡単にいうと、森林再生能力が低い地域のほうが、伐採後に再生した森林を保全するインセンティブが高いからです。
私的には、大変気に入っている研究で、論文の評価も高かったものです。
日本語論文を久しぶりに書いて感じましたが、
自分日本語かなり忘れてる...